プライバシ問題

現代社会においては、プライバシがきわめて重要な人権であり、人間の自律のために基本的なものであると認識されています。

たとえば、欧州人権条約は、8条1項において、「プライベートと家族生活の尊重の権利(Right to respect for private and family life)」として「何人も、プライベートと家族生活、家庭と通信を尊重される権利を有する( Everyone has the right to respect for his private and family life, his home and his correspondence.)」であるとプライバシについて述べています。

 このプライバシが、情報プライバシの観点から論じられるとき、「データプライバシ」の問題といわれることになり、若干、検討されるべき問題を広げて、データ保護の問題として意識されているのです。

 しかしながら、プライバシについては、上のような歴史的な経過とサミュエル・ウォーレンとルイス・ブランダイスの「プライヴァシーの権利」に対する考察が考察においておおきな影響を与えたということくらいについては共通の理解があるものの、それ以外については、後述するような種々の見解があり、その論者によって、それぞれ見方が異なるといってもいい状態になっています。

 しかしながら、プライバシの保護のための仕組みがどのようにあるべきかという点について考える際に、そもそも、プライバシとはなにか、そして、それが法的な制度として保護されているのは何故なのか、という観点から検討している立場はまったくといっていいほどありません。

当社は、プライバシを精神的な静穏を保つための法的な利益ととらえる立場から、実証的に、プライバシ主体がどのように実際の生活のなかで認知をしているのか、というしのを意識しながら、論じるべきであるという立場から、実証的な実験をもとに論じるのを提唱しています。

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