人工知能に教える手間は、誰のもの?

人工知能というのは、なんなのですが、法律相談支援チャットボットとか、法律論文調査チャットボットとかは、自然言語処理とかの手法を使いますね。

MicrosoftのAzureのマーケットプレースというところで、いろいろなサービスがあるのですが、「Academic Knowledge API (preview)」というのがあります。これは、マイクロソフトアカデミックグラフというのを使って知識探索サービスを提供しているそうです。

多分、実際は、このAPIを使って検索して、検索の候補から、検索者の行動をグラフ化して、その結果をフィードバックして、検索の正確性を高めているのでしょうね(実際、使ってみれば、わかるので、わかったら、あとで分析します)

それは、さておき、興味深いのは、このような行動の原理よりも、具体的なサービスの紹介ページのなかで、大きく出ているLegal Noticeの文字です。
具体的には、
マイクロソフトは、マイクロソフトの製品とサービスの改善のために、コグニティブサービスに送信するデータを使用します。 たとえば、コグニティブ・サービスに提供されるコンテンツを使用して、基礎となるアルゴリズムとモデルを絶え間なく改善します。 コグニティブサービスに個人情報を送信する場合、データ主体から十分な同意を得る責任があります。 オンラインサービス規約の一般的なプライバシーとセキュリティの条件は、コグニティブサービスには適用されません。

という「法的注意」が記載されています。(この点については、「MS、プライバシーポリシーに「Cognitive Services」の例外を追記」の記事も参照ください)

要は、この法的注意によるときは、MSのLUIS君(Language Understanding Intelligent Service )に、教育してくれた場合には、その教育の成果は、MSが持っていくからね、ということなのかなあと思います。

もっとも、利用関係については、一般的な約款も準備されていて、いろいろな派生サービスもあるので、教育の成果を自分の占有的な成果として保持しながら、人工知能を使うというのもできるのかもしれません。この点は、さらに調査研究をしなければならない点ですし、現実の人工知能の法的問題のなかで、ふれられていないが、大きな問題の一つのような気がします。

 

 

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