続・宇宙-サイバーセキュリティ法の最後のフロンティア その3

衛星システムを考えた場合に、その情報通信のセキュリティ侵害があった場合の事件簿をあげていくことにしましょう。以下、時系列でまとめます。

資料的には、Satellite Hacking — Intro by Indianz (2012)       というのがあります。

1980年代

1980年代の衛星ハッキングは、主として衛星からの無線傍受、暗号解読の事件などでした。

代表的な事件として、1986年4月には、Captain Midnight事件が発生しています。これは、技術士であったJohn R. MacDougalが、Captain Midnightという名称を語り、衛星通信に混信をあたえて、衛星方針受信料が高いというコメント入りの画面を受信機に表示させたという事件になります。

この画像をYoutubeでみることができます

1990年代
1990年代は、衛星を通じての電話の只かけ/衛星放送(有料放送)暗号の解読が衛星に関するサイバーセキュリティの問題であったということができます。

衛星放送の歴史ということになると、wowowのサービス開始が1990年、CS放送が、1992年とのことですから、衛星放送のスクランブルの解除などが話題になったなあという記憶がある方もおおいでしょう。

(ラジオライフは、いまでも元気なんですね。こんな記事「最新映画も有料放送も観られる「UBOX3」とは?」もありました。)

2000年代
2000年代にはいると、現在においても問題とされるような事案が現れてきます。

(1)2002年Sinosat-1事件

この事件は、Falun Gongという中国のハッカー集団が、短時間ではあるが、 Sinosat-1 という衛星を乗っ取って、中国中央テレビのすべてのチャンネルにバナーを送信したという事件です。

(2)2007年Landsat7事件

これは、2007年10月20日 米国の地球観測システム衛星であるLandsat7(National Aeronautics and Space Administration と U.S. Geological Surveyによる共同管理)が、12分以上の妨害を受けたという事件です。

なお、同衛星は、2008年7月にも12分間の妨害を受けています。

(3)2008年 Terra EOS事件

これは、地球観測システム衛星(earth observation system)が、6月20日に2分間コントロールを取得され、システムにフルアクセスされた事件です。

また、同年10月22日にも9分間、同様の事件が発生しました。

これらのアクセスによって具体的な被害は、発生していないとされています。

なお、この(2)および(3)事件については、2011年の米国議会報告書(中国の脅威についてのもの)があって、その216頁で、ふれられています。(あと、チャタムハウス報告書の著者らの記事もあります)

(4)2009年 FLTSAT8事件

これは、米国の海軍の通信衛星システム(Fleet Satellite Communication system)が、3月8日に混信させられた事件です。

米国軍の衛星トランスポンダーが、違法にのっとられたとして、39名がブラジル警察に逮捕されました。

具体的な記事としては、Wired “The Great Brazilian Sat-Hack Crackdown”で、ふれられています。

 

It's only fair to share...Share on LinkedInTweet about this on TwitterShare on Facebook