続・宇宙-サイバーセキュリティ法の最後のフロンティア その2

宇宙法部会というのは、熱心な部会でして、参加者もかなり多いです。非常に宇宙法に注目が集まってきているということがいえるでしょう。

さて、それがどのような背景があるのかな、というのが最初のお話です。

これは、いろいろなところがあるのだろうと思います。なんといっても、宇宙ビジネスというのが、民間が参加できるといういろいろなインフラが揃ってきているというのが一番大きいのかと思います。

宇宙基本計画によると、「パワーバランスの変化」「安全保障上の重要性の増大」「安定的利用を妨げるリスクの深刻化」「地球規模課題の解決に宇宙が果たす役割が増大 」「我が国の宇宙開発利用を支える産業基盤はゆらぎつつある」「科学技術と安全保障・産業振興の有機的サイクルの不在」などが、現状の環境認識だろそうです。チャレンジがたくさんありますね。ただ、それ以上に可能性が増大しているということなのだろうと思います。

宇宙活動を情報化の観点からもとらえることができるのかな、と思っていて、究極のIoTとしての衛星システムと見たときに、情報の取得・処理に関して、まさに別次元での活動が可能になること、というのが、背景の一番かと思います。その上で、上のチャレンジ(特に、中国の発展やサイバーセキュリティの新市場としての魅力)あたりもこの注目の論点なのだろうと思います。

人の側面からいうと、

  1.  SF映画文化に多大な影響をうけた世代が、中心の活動をになうようになってきたこと
  2.  サイバーセキュリティ業界における脅威が、国家支援攻撃になって、対応が、あまりに高度化してしまってきて、一定の達成感が生じたとこと
  3.  国際的にも、すぐれた報告書、プロジェクトがたくさんでてきていること

なども背景かなと個人的には、思っていたりしています。

法的なプロジェクトとしては、タリンマニュアル2.0で、一定の達成感を感じたチームが宇宙法ニ軸足を移してきているという感じがします。

国際法との関係で注目すべきプロジェクトは、
MILAMOS( Manual on International Law Applicable to Military Uses of Outer Space )
とか
THE WOOMERA MANUAL ON THE INTERNATIONAL LAW OF MILITARY SPACE OPERATIONS
があります。

あとは、国連のCOPUOS(国連宇宙空間平和利用委員会)や専門家会合の動向等もきわめて注目に値することになります

次からは、事件簿をみていくことにしましょう。

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